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経緯
韓国ソウルから東へ3時間。
日本海の風・強い陽。江陵に自然と融合したこれまでに例を見ない新しいかたちのアートセンターがある。崔玉泳教授・朴信正教授が2003年に創設したこのハスラーアートセンターは、江陵の山間部にある旺山という小さな村にある小学校をリノベーションした旺山造形研究所を前身とする。  http://www.haslla.com/

1995年より崔玉泳教授、朴信正教授によって10月初旬の韓国建国記念日に合わせて旺山開天祭を毎年開催している。2000年からはPepper's Galleryのディレクターである白石紘氏が企画に参加することになり、プログラムはアートフェスティバルとアートキャンプ(アーティストインレジデンス)というかたちで構成された。
アートフェスティバルとは、韓国内のパフォーマーやミュージシャンを招いて開催され、そこには出店や持ち寄りでできた即席の呑み屋がいつのまにかできあがり、村人とアーティストが酒・踊りにと気付けばいつの間にか村祭りが自然とできあがっていく不思議な空間。
アートキャンプは、白石紘氏の若い世代のアーティストを世界に紹介していくという考えのもと企画されたプログラムであり、約2週間の日程で韓国のアーティスト及び日本を含む海外の作家とともに旺山の農家などにホームステイしながらアーティストレジデンスとして旺山造形研究所を中心に村の自然と融合した作品表現を試みるものである。

出会い
わたしは、2000年にこのアートキャンププログラムにはじめて参加した日本人作家のひとりとして此の地を訪れた。当時、まだ大学院に在籍しており、ひとりの作家としてというよりもまだまだ甘えも多かったと学生だったと思う。そんなわたしと崔玉泳教授・朴信正教授は作品のことはもちろん、これからのことなど実にたくさんのことを言葉が決して通じる関係では無かったが連日連夜、酒を酌み交わした。一言、一行で言うことは決してできないほどたくさんの出会いと出来事があった。あの時・あの場が無ければ今のわたしはアーティストとして存在していない。当時のことを一緒に参加した三巻愛さんが克明にレポートしている。
http://www.peppers-project.com/info/jp/info_frame.htm
その後、崔玉泳教授・朴信正教授とは個展を見にわざわざ来日して頂いたり、我が家に泊まりに来て頂いたりと公私に渡りお付き合いをして頂いている。

その後
アートキャンプというプログラムが加わったことによりインターナショナルフェスティバルとして大きく飛躍していきそうな矢先、2002年の晩夏に江陵地方を数百年に一度という台風が襲い、特に旺山地域は鉄砲水により甚大な被害を受けた。旺山造形研究所も鉄砲水の被害により、住居はもちろんアトリエ、ゆるやかにつくられてきた自然と融合したランドスケープ(崔玉泳教授・朴信正教授の作品)は跡形も無く瓦礫の下に埋もれた。
2002年、2003年と復興の兆しが見えない中、韓国のアーティスト達によって瓦礫の中で旺山開天祭は開催されていた。わたしがそのことを知ったのは2003年の霜月。

あれから5年
旺山造形研究所があった場所は未だにその被害の爪痕を大きく残しているが、崔玉泳教授・朴信正教授は天、地、風、水の自然と融合したアートセンター計画「HASLLA ART WORLD PROJECT」を2002年より江陵の海に面した8万坪の広大な敷地に新たに展開している。このプロジェクトはわたしが知る限りでは、旺山開天祭に参加した2000年当時より崔玉泳教授の10年を優に超える壮大な計画として熱く語られていた。その第一期はすでにオープンしており、崔玉泳教授がランドスケープデザインを担当し、朴信正
教授が総合的なプロデュースを担当している。崔玉泳教授・朴信正教授の情熱・夢・意志には脱帽するばかりである。

アートキャンプ2005
2005年に旺山開天祭のプログラム「アートキャンプ」にキュレーター白石氏の招聘で再度参加することとなった。今回のアートキャンプはハスラーアートセンターの未来を見据え、同センターで実験的に行われた。これまでのアートキャンプ同様、参加作家は滞在制作を通じて作品をつくっていくのだが、アーティストには作品をつくるだけではなく、ハスラーアートセンター、旺山造形研究所の今後についてハード・ソフトの両面から多くの意見を求められた。実にユニークな意見やアイデアが多数提案されたが、アーティスト同士の意見のためか、決してひとつの道は示せず、逆に無限に広がっていく可能性が大いに語られた毎夜のディスカッションとなった。そしてアートキャンプそのもののプログラムも大きく変わっていくだろうと予感させるできごとが今回の滞在を通じて多く感じられ、その点に関してはキュレーター白石紘氏が新たな企画を構想しているようである。

構想
わたしは今回の参加にあたり、数カ年に渡り継続可能な循環型のランドアートとワークショップを展開したいと考えていた。海外での作品制作、予算的な関係から個人的な制作活動の延長線上に構想を練っていたが、崔玉泳教授の提案、白石紘氏のご助力によりハスラーアートセンター内にハブ機能を持たせた空間、更に旺山造形研究所の復興プランを含めた大規模なランドスケープデザインをすることになった。
今回のアートキャンプでは両地の施設・敷地・環境の現状考察などのリサーチからはじめることになり、イメージドローイング・模型などによるマスタープランとなる構想つくりに着手し、崔玉泳教授と共に時間のゆるすかぎりディスカッションを繰り返した。
今後の展開についてはホームページなどを通じてプロジェクトの様子を定期的に報告していきたいと考えている。

Photo

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Plan

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